2016年01月28日

岡村靖幸『幸福』のせいで幸せすぎて眠れない。

新しいCDを買いました。ヒドイ話でね、告知がニュースサイトでしかやってないのです。いや、ツイッターとかはあるんで、見ればいいって話なんですけど、いわゆる公式サイトで全然新しいリリースの話をしていない。聴きたい人だけ自分で調べて聴いてねって感じ。靴箱の中に入れられた名前のないラブレターみたい。シャレてるのか、宣伝がめんどうくさいだけのか。どっちなのか、まぁいいや。

岡村靖幸、愛すべきファンクおじさん、10年ぶり?11年ぶり?のフルアルバム。数々の逮捕と人生持ち崩しを経て、ついにアルバムを出すまでに人生が立ち直ってきたということについては、僕なども他人なりに感慨を覚えます。頑張れ、のりピー。頑張れ、飛鳥。頑張れ、チャゲ。

よく調べれば載ってたのかもしれないですけど、まずもって告知の段階では何の曲が入っているのかわからない。確かに、新曲のタイトルだけ聞いたって何もわかんないですよ。でも、書くでしょ普通。1曲目が「ウンコとキミのナミダがイッショに流れて海原千里」とかだったら、買うの止めようとか思うじゃないですか。逆に「人類よ宇宙の法に耳をすませ〜エターナルパワー〜」とかだったら警察に「四度目です」って通報するじゃないですか。ノーヒント、ノーミュージック。ナウ。

幸福

唯一のヒントであるジャケットのアートワークは日本画家の会田誠さんによるもの。タイトルは「幸福」。「買おう」と決めてしまった。コレが人生初のジャケ買いか。もともと買う気なのはジャケ買いって言わないか。山間の古民家で、ヘチマとママレモンみたいな洗剤。古い水道を駆使してやっと溜めたお湯に、裏庭で採れたゆずを入れる。ゆったりと伸ばした足に絡みつくように、愛娘が剥きたての果実を差し出してくる。

これが「幸福」なのか。

岡村ちゃんが今見ている幸福はコレなのか。六本木のタワマンの最上階じゃなくて、古民家だった。隣にいる女性は、もちろん台所に愛すべき女の子はいるんだけれど、世界一の「ベイベー」は目の前のキミなんだ。これはお母さんにはナイショだぜ。お母さんには「お前が世界一だ」っていつも言ってるから。でもでも本当はキミが1番なんだ。今日は何をしようか。自転車の練習にしようか。坂道を下って川原まで行こう。石を投げよう。水切りを教えてあげよう。キレイな水晶が見つかるといいね。

たくさんの物語がアートワークだけで広がってくる。

そんな世界を向いて生まれたアルバムなら、それはきっと素晴らしいに違いない。

手元に届いたソレは、僕の熱心さ不足で限定盤ではないペラッとしたタダのCD。何の飾りもなく、11年ぶりなんて気負いもなく、宣伝もない。ビニールの紐を引っ張ってビニールを破けば、なかからはシンプルな歌詞カード。写真集がつくでもなく、デジタルおまけでがつくでもなく。歌詞が書いてある紙がついている。収録曲は…9曲か。シングルが4つ入ってるな。カップリング曲も入ってる。公式サイトで流れるぶーしゃかLOOPも入ってる。知ってる曲ばっかりか。正直に、ガッカリしたことを白状します。そして、やっぱまだアルバムを作るコンディションじゃないのかなと疑ったことを。恥ずかしい。天才を疑った自分が恥ずかしい。

久々に感じるCDを「インサート」する気持ち。慣れた相手との夜も悪くない、ダラけた気分。しかし、しかし、しかし、しかし、聴き始めると心がどんどん高ぶっていく。知ったカラダがまるで別人のように熱くなっている。音楽を表現する言葉をあまり持たないのが悔しいけれど、重く甘く囁くような1曲目から、機械みたいなリズムにいつものラップみたいな歌い方でワケがわからないメッセージを被せる2曲目、シングル連打のクライマックス、とにかく愛恋純情を唄いあげて迫ってくる。愛だの恋だの言ってる時代じゃないなんて言われて久しいけれど、ここにいる。愛だの恋だの言っちゃってる輩が。

改めて聞くシングル群は、改めて思うけれど、1曲ずつがとても素敵。何回もリピートしたい曲が入っているなら、9曲入りで何が悪いって感じです。1曲しか聴かない13曲入りより全然いいじゃん。あぁやっぱりこの人の音楽が好きだ。これがあればタイムリープしなくっていい。「岡村靖幸がクスリをやらずに逮捕されずに音楽を真面目にやっている世界」を探す必要はない。ベスト。ベストアルバム。「家庭教師」とかの輝きを上書きする感じではないけれど、どっちをリピートして聴くかって言われたら「幸福」のほうだと素直に言える。

岡村ファンク。奔流。怒涛のファンクがアルバムぶん頭に流れてくる。曲の継ぎ目すら埋めて、音が流れこんでくる。長時間労働で疲弊した脳がズキューンと跳ねて、ワンツースリージャンプしてしまう。会社の行き帰りが楽しくなる気しかしない。1曲も捨て曲がないというよりは、壮大な交響組曲が1曲入っている感じ。どこかを聴くんじゃなくて、この大きな1曲に飲み込まれるのが気持ちいい。

そして、そのラストを飾る「ぶーしゃかLOOP」。あぁ、これだけでも聴かせたい。まさかそのアレンジできたか。何度も聞いてきたこの曲が、狂った意味不明の言語で、ひたすらにファンクだけを叩きつけてくるこの曲が、まったく違う形で生まれ直している。新曲だ。これは新ぶーしゃかLOOPだ。とけるくらい気持ちいい。仕事さえもはかどりそうな気がする。「だいすき!」って女児の声で言いたくなる!

これはベストアルバムですわ。シングル盛り盛りって意味でも最近の岡村ちゃんベストであるし、「今、いい時代でしょ?」っていう最新の岡村靖幸=最高の岡村靖幸であるという意味でもベスト。岡村靖幸的なものが好きな人なら、絶対買いの決定盤だと思いましたですよ。みんなよかったな!岡村靖幸的なものが好きな人よかったな!岡村靖幸は滅びてなかったし、より強くなって鮮やかに復活している。ツアー行かざるを得ない!

すごい健全なんですけど、岡村靖幸なのにすごい健全なんですけど、アルバムを引っ提げてのツアーっていうまっとうなツアーがすごい楽しみになる一枚でした。しばらくはコレだけリピートですね。ももクロちゃんのアルバムが出るまでに、リピート熱がおさまってくれるといいのだけれど。どこでやめて、どこで寝たらいいのか、今はまだやめどきがなくて困っています。今日もまた真夜中だ。

ぶー ぶーしゃからか ぶー

フモフモ編集長さん(@fumofumocolumn)が投稿した写真 -




本当にこの文字列どおりに唄うだけの曲なんだけど、何もかもカッコいいのですよ。




posted by フモフモ at 03:34 | Comment(4) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする