2016年11月23日

ルールは、変えていいもの。

あんまり本気で受け止められるとアレなんですが…。

先日サッカーの試合を見ていたら、非常に残念なことがありました。僕は「負けろー負けろー」という念を送りながら見ていたのですが、何故か対戦している両チームがダラダラとボールまわしを始めたのです。攻める気ゼロの両チームは、ダラダラダラダラまわしてばかり。5分くらいはやっていたでしょうか。

もちろん理由はあります。片方は「負けなければ優勝」という状態。もう片方は「負けたら降格」で、「引き分けなら勝点1を積んで入れ替え戦でワンチャンある」という状態。そりゃあもちろん勝てればベストなんでしょうが、残り時間も少なくなると、リスクを犯して全部失うみたいなことはできません。ほとんど談合のように、お互い攻めないという暗黙の了解のうちに試合は終わりました。

両チームは悪くない。悪くない。

求める結果にたどりつく道が、談合引き分けならば当然やります。責める気など毛頭ありません。ただ、こんなことをされてはつまらんなとは猛烈に思います。一年の積み重ねを承知の客なら、それもまた納得の時間なのでしょうが、根本的にはつまらない。「自分の子どもが作った料理なら何でも美味いし感動で涙が出るが、店で出されたらゴミ」という話であり、まったく褒められたものではないと思うわけです。

思い出すのはロンドン五輪のバドミントン。強豪の中国ペアが、中国ペア同士の潰し合いを避けるために、ワザと負けて組み合わせを操作した一件です。ワザと負けようとする中国ペアと、それを許したら自分たちが次の試合で中国ペアとあたることになってしまうので負けじとワザと負けようとするインドネシアペア。ワザとミスを連発するあの試合も、求める結果への最適解という意味では同じことだったわけですが、まぁ面白くなかった。一生懸命勝ちにいって勝ったり負けたりするからこそ面白いのであって、ワザと負けたり、時間をやり過ごす様子を見せられるのはさすがに退屈というもの。

結局そのときは全員失格という処分が下ったわけですが、それもまた急すぎる。敗退行為があったとはいえ、それは勝利を求める結果として「負ける」がベストの選択だったからであり、それを責めるのはやっぱり難しいと思うのです。

ルールとは、そういうつまらんことをさせないためにあると思うのです。スポーツにおいてルールが守るのは「正しさ」ではなく、そのさらにひとつ上にある「面白さ」です。面白いかどうかが大事なのであって、面白いことを守るために卑怯なことを許さないようにルールで制限しているのです。サッカーで言えば「手を使わない」なんてのは、正しさ由来ではなく面白さ由来のルールですよね。「手を使わないでボールをゴールに入れたら面白いよね」っていうのがサッカーの根源なのですから。

ルールのほうで、あぁいうことをさせないように仕向けてやらないといけない。

そもそもサッカーというのは引き分けのメリットが大きすぎます。勝ちで3点なのに、分けで1点っていうのは比重がおかしい。これでも昔の「勝ち2点、分け1点」時代よりははるかにマシですが、それでも大きい。こうなると、「しっかり守って」みたいな発想が第一にあがってくる。守りは大事だけれど、やるほうも見る方も攻めが面白いのです。攻めがなかったら、守りの面白さも生まれないわけじゃないですか。そこは明確な序列があるのです。攻めが上、守りは下。

もっと攻めさせるように仕向けないと。

僕には長年の腹案がありまして、それは「無得点は勝点マイナス1点」というものです。どういうことかと言うと、例えば「Aチーム 3-0 Bチーム」という試合があったとき、Aチームは勝点3をもらい、Bチームは勝点が1減るという具合です。「Aチーム 0-0 Bチーム」という試合だと、両チームとも分けの1点と無得点のマイナス1点が相殺して、勝点ゼロになります。もちろん「Aチーム 1-1 Bチーム」ならペナルティはなく、分けの1点をもらえます。

こうしておけば、「5-1で負ける」のと「0-0で分ける」のが同じ価値になります。「0-0」から1点取られたとしても、自分たちも1点取れば「0-0」のときよりも勝点が1増えるわけで、ゴールを決めることの価値や、ゴールを狙うことの意味がグンと大きくなります。「3-0でAチームが勝っている」試合がある場合、現状のルールだともうBチーム側はほとんどやることはないわけですが、「無得点で勝点マイナス1」なら最後までゴールを狙う必然性があります。「3-0」のまま負けたら勝点で4差つけられるところを、「3-1」にすれば3差で済むわけですから。

生理的に拒否反応を示す向きもあるかもしれませんが、こんなボーナス(ペナルティかもしれないが)みたいなことをするというのは、別におかしな話ではありません。15人制のラグビーだとワールドカップでもいろいろボーナスがついてますよね。「4トライ決めたら勝点1追加であげる」とか「7点差以内の負けは勝点1あげる」とか。そういう感じで、ルールで面白くなるように仕向けることはできると思うのです。

やっぱり、ゴールが見たい。

「戦術を深く理解すればぁこの睨み合いにも味がありぃゾーンディフェンスの巧みさがぁ」みたいなことを言うマニア層もいるのでしょうが、それはまぁあんまり一般的な意見じゃないと思うのでね。野球に行ったらホームランが見たい、ボクシングに行ったらKOが見たい、サッカーに行ったらゴールが見たい、全部自然なことだと思うのです。選手に「攻めない、何もしない」ことが最適解だと判断させるようなルールなら、そのルールがオカシイので、聖域みたいには思わず、何かもっと上手いことできないかなって考えるのは、いいことだと思います。

ルールは、変えていいもの。どんどん変えていいものです。




posted by フモフモ at 01:57 | Comment(8) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする