2017年01月09日

誰が見てるかわからないので、背後から近寄って匂いを嗅ぐのは止めたという話。

告知です!

日刊SPAさんで間借りさせてもらっている穴場探訪記事がアップされました。新年の初笑い…笑えるところはないつもりの真面目な記事なんですけど、「この連載、思ったよりしぶといな」という気持ちでご笑覧いただければと思います。そして、各ページにひととおりアクセスしたうえで、リツイート拡散などしていただけますと、「3月の年度替わりでこの連載にひと区切りを」と考えている編集部へのアピールとなると思いますので、ぜひご協力ください。

↓今回訪問しましたのは「ゴールボール」です!




ゴールボールというのはバレーボールのサイズのコートで、3人ずつの選手が目隠しでボールを転がして、相手側のゴールに入ったら得点という競技。現場で見るのは初めてだったのですが、基本的には「目隠し手投げサッカー」というイメージでいたのですが、実際にしばらくじーっと見ていると「目隠しドッジボール」だなという感じがしてきました。

というのも、目を隠したところで互いにボールの行方を見失ったりはしないので、コースをぶち抜いてゴールみたいなことはないんですね。どうやって点が入るかというと、相手の身体に当てたうえで身体を乗り越えて入るというのが基本線なのです。なので、足先みたいなコントロールしにくいところに当てて乗り越えたり、あるいはすごい勢いのボールで強引に身体を乗り越えたり。目隠しとか音で探知とか以上に、パワーでの決着が大事になってくる。

日本代表のキャプテンでロンドン金の浦田さんのプレーなどに特に感じたのですが、浦田さんのディフェンスはさすがに巧みなのです。目がついてるんじゃないかくらいにボールのコースはすぐ察知するし、相手が一歩動いただけで「右」とか「左」とかチームにその情報を伝えてくれる、コウモリなみの探知力がある。

ただ、いかんせん投げるほうは普通で、コースを狙ってコロコロ転がすようなボールが中心。それだと全然DFを打ち破れず、相手が思い切って投げてくるパワーボールが自軍DFを打ち破ってジワジワと点差が開いていくような試合展開に見舞われていました。すごい回数投げてるのに全然得点に結びつかないというのは、リオでも日本チームはそんな感じでしたけど、ちょっと東京での金争いという意味ではこのままだと厳しいんだろうなと。

逆にコレ、プロ野球選手だった男たちとか、身体を持て余している勢がもっと余暇として楽しむくらいになると違ってくるのかなという感じがしました。守備の方はみんなそこそこ何とかなっているので、むしろ攻撃力でチームを編成していったほうが「勝ち」には近いのかなと。室伏さんとかに4年間目隠しの修行させたら確実に金争いって感じがします。すんごいボール投げられる自信ある勢はぜひ挑戦してみるとよいと思います。

ちなみに、会場で面白かったのは意外なほどの配慮のなさ。普通、目が見えない人が集ったスポーツって言われたら、もうフル介助ってイメージをするじゃないですか。しかし、「日常生活を普通に過ごしているんだから別に大丈夫でしょ?」的ないい意味での放置ぶり。会場のトイレは階段でワンフロワ地下にくだるみたいな、普通にちょっと危ない感じの構造でしたが、そこもどうぞご勝手にという感じで、案内もなければサポートもありません。

「ロビーでコイントスやりますねー」という話で選手代表が集合させられた際も、そこには案内などはなく、勝手に集まれという扱い。「どうぞコチラです」みたいなサポートはありません。まぁ、こんなんでいいんだろうなと肩のチカラも抜けるような気がしました。できることは勝手にやってもらったり、勝手にやらせてもらったほうが、お互いに気疲れもなくていいですしね。

↓「コイントス会場はこちらでーす」という手書きのアナウンス。
DSC02168.JPG

手書きの紙か…!

見えない人がやっているスポーツで、点字ですらなく手書きの紙か…!


「できる」を増やすって考えると、どこまでやったらいいかよくわからなかったりします。見えない人にどこまでの何が必要かってよくわかりませんし。ただ、「できない」を減らすって考えたら、物事は整理されていくのかなと。ごく普通の体育館で、ごく普通(かそれ以下)の人数のスタッフで、ごく普通のアナウンスだけで運営される大会がちゃんと回っているのを見ると、ためらうほど身構える必要はないんだなと。

で、選手にはちょいちょい見える人も混ざっているのです。見える人のほうが多いのかもしれない。誰が見えてて誰が見えてないか、試合を見ていても、アップの風景を見ていても結局よくわかりませんでした。すごい楽しそうにプレーしていて、指導者は鬼のような怒号を飛ばしていて、とても「見えなくて大変そうな人の集い」という感じではないですし。見えない人だけの集まりだったら音もなく忍び寄って浦田さんの匂いでも嗅ごうかと思っていたのですが、誰が見えてるのかわからないので、計画も断念したほどです。

今後はパラリンピック競技もいろいろと現場めぐりをしまして、一周したいなと思っております。そのモチベーションとなるのが、日刊SPAさんの連載だったりするので、打ち切りにならない程度のご支援、引きつづき熱心な読者さんにはお願いしたく思います。むしろ、この先どんどんせまーいゾーンに入っていったところで世間的な価値も出てくると思いますので、もう少しつづきますようご支援ください。




posted by フモフモ at 21:59 | Comment(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする