2017年07月02日

大阪遠征記:トラベルファンタジスタ

大阪遠征の2日目は、まさに分刻みで生き急ぐような過酷なスケジュールでした。こんなに電車に乗ることになるなら、何らかのフリー切符でも買えばよかったと後悔したほど。あっちいってこっちいって落っこちました。

そんななかで2日目のメインディッシュとなったのは、ソロアーティスト有安杏果さんのライブです。できれば東京公演に行きたかったけれど、チケットの神様がここに行けというのなら仕方ありません。

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やってきましたオリックス劇場!

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この日を祝って花もたくさん!


まだこのライブにはツアーのつづきがあるので、ネタバレ的な話は伏せますが、最高でした。きてよかった。きていなければ後悔したに違いない、素晴らしいライブでした。好きな人が、現役で戦い、それをライブで見守り、自己ベストを一緒に更新する…そんな幸せをともに感じるような。

もしかしたら「ももいろクローバーZの緑」を好きな人にとっては、ちょっと違うライブだったかもしれません。系統としては、最終的にYUKIと椎名林檎を頂点とし、家入レオさんとかが後ろにつづくグループのスタートラインに彼女はいたと思います。元気いっぱいなアイドルとは少し違う。

僕にとって現代アイドルは異世界感を楽しむ場所であり、ワンダーランドです。それはそれでとても好きなのだけれど、あくまでもそれは「お出かけ」です。むしろ今回は、僕の本来のフィールドに近づいてきてくれたような気がして、個人的には嬉しく思いました。何か、途中で永井真理子とかを思い出していました。

「愛されたくて」そして同じクリエイターの手によるという新曲は、ちょっと大人で、だいぶムーディー。いぇいいぇいするよりもスイングするような楽しみ方。「あぁ、こういうので好きになれるの探してたんだよ」って、まるで新しい出会いを迎えたような気持ちになります。「こういうの」はいっぱいあるけれど、「好き」になるのは偶然の出来事。それがガッチリと噛みあったような嬉しさです。

そういう新しいアーティストさんなので、古い曲やカバー曲はあまりありません。ほんとうにちょっとだけ。彼女が全部を決め、彼女だけの色で作り上げる真っ新な舞台です。そうあるために、彼女がたくさんのお金と時間を使い、準備をしてきたことがよーくわかりました。伝わってきました。「自分、頑張ったな!」って背中をパーンと叩いてあげたい。

だって、1曲目始まったとき「あれ?これやってたっけ?」と思い、そのあとに出てくるブツを並べていったら「これどこでもらったん?」「これいつ作ったん?」という出来事の連続でしたから。そして、手持ちの素材に対しても、なるほど考えてきたなという演出の連続。特にアンコール後半の「逆回転」は「やられた!」と思いました。想像外のやられかたで、素直に「一本」です。

ももクロならすでに開拓した引き出しと膨大な曲数があるけれど、有安杏果としてやるにはまだまだ手持ちの弾薬が足りない。でも、増やしていこうと知恵を絞ってきている。それが伝わってくる「やるじゃん」な演出が随所に見られて、楽しみつつ感心してしまいました。ソロアーティストというか、シンガーダンサーソングライターミュージシャンフォトグラファープロデューサーa.k.a.MC杏果みたいなことになっちゃってるんだなと。「自分、頑張ったな!」

やっぱりそれって、彼女にとってもこれが真剣勝負なんだということなんでしょうね。一緒に楽しもう、って気持ちはもちろんあるけど、そんなフワフワしてはいられない。だって、これが本当の夢で、これをやりたいのだから。

夢を実現する、しつづけるには結果が必要。

それは満足度って意味でもありますが、より身も蓋もないところで「お金」って話でもあります。ももクロの緑から少しずつ離れていこうとするなかで、実際にそこにいるのは100%に近い数字で「ももクロの緑」から流れてきたお客。それを、私の色で楽しませて、また足を運んでもらって、収益をあげていかないといけない。このプロジェクトを遊びや刺激じゃなく、商売にしていかないと、本当の夢にならないのだから。

端々に見える「気の強さ」みたいなものが、それはももクロの緑とは全然違う、彼女本来の意志の発露がとても清々しかった。緑…はまぁ許容するとして、ほかの色にはチクリと愛嬌を刺すことを忘れないし、新作グッズを持っていない人にイジリを入れることを忘れない。そして、自身の企画したものを「これ、ええやろ?な?」とアピールし、舞台上の演出と絡めて積極的に使っていく。

「絶対買ったほうが楽しいで!買わんと損やで!楽しませるから買うてや!」という強い気持ちで、推してくる。関西っぽいなーと思いつつ、彼女も本気なんだなというのをすごく感じます。全力出すってそういうことだよなぁと、自分の仕事にはちょっと卑屈になってしまう我が身が恥ずかしくなります。全力でやったことなら、全力で推すのが「本気」だよなぁと。

なので、今回は僕は緑カラーはカバンにしまいまして、無色の客として楽しみました。何となく、それがコチラからの返答なのかなぁと思ったりしたので。やがてこの会場から緑が消えていく未来を追いかけていくんなら、そうしてみせることで「それでいいぞ」というリアクションになるのかなと思ったり。ノーコール、ノーペンライト。気持ちを伝えるときは手拍子で。たぶん、それを望んでいるのだろうと思いながら。無色の色鉛筆の尖ったプライドが胸に刺さったのら、無色の客になるのがコチラからの答えなんじゃないのかと思いながら。

こうなってくると、「シングル」ってのが欲しくなります。ちゃんと広い世間に問うてみて、優しくない客にも自分をぶつけて、大きくジャンプするってターンを踏むべきなんだろうなと。今回のツアー大成功で、ライブアーティストとしての軌道にはある程度乗せていけるのかなと思いますが、そこにまったく新しい風を吹き込ませるためにも、ぜひ世に問うてみてほしいもの。来年あたりの大きなテーマとして、温めていってほしいなと思います。

ライブの一番最後、すべてを終えて帰る有安さんが、今日数えきれないくらい繰り返した「ありがとう」を言って帰るとき、開演前より緑のライトの数は半分くらいになり、そのかわりにスタンディングオベーションが起きました。僕はそれが何だかすごく嬉しくなって、「こっち見ろ!見てから帰れ!」と思いました。

伝わっていればいいなと思い、

伝え返すことができていればいいなと思い、

また会えたらいいなと思いました。

もし、ももいろクローバーZのライブと、有安杏果のライブがバッティングしたら、僕は有安杏果のほうに行く。そういう気持ちで、また次の機会を待ちたいと思います。心に響く歌が売れますように。売れるってことで言うなら、トンネルの中からの歌よりも、トンネルを出てから、今トンネルの中にいる人に「出られたよ」って歌ってあげるほうが、より励まされるのかなと思いました。まぁ気にしないでいいです。個人の感想です。

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ちょうど一年前のあの日も最高だったけど、それを大幅に更新してた!

お疲れ様!ありがとう!



posted by フモフモ at 22:35 | Comment(2) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする